薬と制度
ウゴービ・ゼップバウンドを自由診療で買うと? 保険の薬価との差と使える条件
※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日
この記事は一般的な情報で、診断や治療の判断の代わりにはなりません。自分が保険診療の対象になるかは、医師に相談してください。
結論
- ウゴービ・ゼップバウンドは「肥満症」の効能が条件つきで承認された薬です。国の最適使用推進ガイドラインは、痩身・ダイエットなどを目的に投与してはならないとしています。
- 自由診療の公式料金は、4週(1か月)分で保険の薬価(10割)の約2.6〜3.4倍でした。3割負担の薬代と比べると、ウゴービ2.4mgで月に約11.7万円の差があります。
- 保険診療の条件に当てはまりそうなら、まずBMIと保険診療の条件で確かめ、かかりつけ医や内科に相談するのが近道です。

保険で使える条件
- ウゴービ:高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、BMI35以上、またはBMI27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上。
- ゼップバウンド:添付文書の効能・効果は「高血圧、脂質異常症又は耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかを有し」までを含みます。ただし保険給付の対象は「高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病」がある場合に限られます(2026年5月18日の通知)。2型糖尿病ではない耐糖能異常だけの人は、効能・効果には入っても、保険給付の対象にはなりません。
- どちらも、投与する施設で6か月以上の食事療法・運動療法(管理栄養士の栄養指導は2か月に1回以上)を行っても効果が不十分なこと、専門医がいるなどの施設の要件があります。使える期間はウゴービ最大68週、ゼップバウンド最大72週です。詳しくは肥満症の保険診療の条件と自己負担。
自由診療の料金と保険の薬価の比較
| 薬・1回量 | DMMオンラインクリニック(定期) | SDHクリニック(1か月分) | 薬価・4週分(10割) | 3割負担 | 差(DMM−3割) |
|---|---|---|---|---|---|
| ウゴービ0.25mg | 18,920円 | 18,500円 | 6,049円 | 約1,815円 | 約17,105円 |
| ウゴービ0.5mg | 36,520円 | 37,000円 | 10,590円 | 約3,177円 | 約33,343円 |
| ウゴービ1.0mg | 53,900円 | — | 19,051円 | 約5,715円 | 約48,185円 |
| ウゴービ1.7mg | 91,190円 | — | 30,194円 | 約9,058円 | 約82,132円 |
| ウゴービ2.4mg | 129,470円 | — | 40,861円 | 約12,258円 | 約117,212円 |
| ゼップバウンド2.5mg | 35,530円 | — | 12,268円 | 約3,680円 | 約31,850円 |
| ゼップバウンド5mg | 61,490円 | — | 23,188円 | 約6,956円 | 約54,534円 |
| ゼップバウンド7.5mg | 81,510円 | — | 30,884円 | 約9,265円 | 約72,245円 |
| ゼップバウンド10mg | 99,000円 | — | 35,996円 | 約10,799円 | 約88,201円 |
計算のしかた
ウゴービ:皮下注MD(1本=4回分。0.25mgなら1mg製剤)の薬価をそのまま4週分としました。例:2.4mg(9.6mg製剤)40,861円×0.3=12,258.3円、129,470−12,258.3=117,211.7円。
ゼップバウンド:1キット=1回分なので4キット分。例:2.5mg 3,067円×4=12,268円、×0.3=3,680.4円、35,530−3,680.4=31,849.6円。
倍率(自由診療÷薬価10割):ウゴービは1.0mgの53,900÷19,051≒2.8から0.5mgの36,520÷10,590≒3.4、ゼップバウンドは7.5mgの81,510÷30,884≒2.6から2.5mgの35,530÷12,268≒2.9でした。
自由診療の料金は税込で、2026年10月26日に公式ページから取得しました。公式ページで、ウゴービ・ゼップバウンドの用量ごとの料金を確認できたのはこの2院です。DMMの公式ページには「ウゴービは1セット1本(4回分)」「ゼップバウンドは1セット4本」とあり、表の料金は1セット(4回分)の価格です。薬価は、2026年10月27日時点の価格です。ウゴービは費用対効果評価で2025年11月1日から調整された後の価格で、令和8年度(2026年4月)の薬価改定のあとも同じ額でした。ゼップバウンドは収載時の価格のままで、費用対効果評価は2026年5月13日時点で「分析中」です(中医協資料と医薬品データベースKEGG MEDICUSで確認)。同じ成分のマンジャロ(2型糖尿病の薬)は2026年8月1日に薬価が25%下がりましたが、ゼップバウンドはこの引き下げの対象に入っていません。薬価は今後も改定されることがあります。実際の窓口負担は、診察・検査の費用と合わせて計算され、負担割合は年齢や所得で1〜3割です。
どちらも週1回の自己注射です。主な副作用は吐き気・嘔吐・下痢・便秘・腹痛などの胃腸の症状で、重い副作用として低血糖、急性膵炎、胆嚢炎、イレウス(腸閉塞)などが添付文書に書かれています。ウゴービは肥満症と肝硬変を伴わないMASH、ゼップバウンドは肥満症と閉塞性睡眠時無呼吸症候群の効能が、いずれも条件つきで承認されています。条件の外での使用は、医薬品副作用被害救済制度の対象外になることがあります(救済制度の対象外になる場合)。
保険で受けるときの流れと、薬代以外の費用
公立病院の肥満症外来の案内(県立二葉の里病院、2026年2月改訂)では、次の流れでした。
- かかりつけ医が紹介状(診療情報提供書)とチェックリストを病院に送る。紹介がないと受診できず、完全予約制
- 初診で対象かを確認し、採血・CT・体組成などの検査
- 6か月間の食事療法・運動療法(栄養指導は1〜2か月に1回程度)
- 薬の治療を始めたら2週間ごとに受診
- 終了時に検査し、終了後3か月目・6か月目にも受診
薬代のほかに、診察料がかかります。令和8年の診療報酬点数表では、初診料291点、再診料76点、計画的な医学管理をした場合の外来管理加算52点です(1点=10円)。
- 初診料:291点×10円=2,910円 → 3割で約873円
- 再診料+外来管理加算:(76+52)点×10円=1,280円 → 3割で約384円
このほか検査、栄養指導、処方の費用が内容に応じてかかります(この記事では点数を確認できた初診料・再診料だけ計算しました)。また、特定機能病院や一般病床200床以上の地域医療支援病院などに紹介状なしで行くと、保険とは別に初診7,000円以上・再診3,000円以上の特別の料金がかかります(2022年10月からの国の制度)。
よくある質問
Q. BMIが条件に届かない場合は?
A. 保険診療の対象外です。ガイドラインは痩身・ダイエット目的の投与をしてはならないとしています。まずBMIと保険診療の条件で自分の数値を確かめ、体重の悩みは医師に相談してください。
Q. 保険で使える病院はどう探しますか?
A. 施設の要件があるため、どこでも処方できるわけではありません。かかりつけ医や内科で、条件に当てはまるか、紹介先があるかを相談してください。
Q. 自由診療で始めて、あとから保険に切り替えられますか?
A. 保険診療は、その施設で6か月以上の食事・運動療法をしたうえで始めるのが条件です。切り替えられるかは受診先の医師に確認してください。
参考にした情報(確認日:2026年10月27日)
- 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(肥満症)令和8年6月改訂
- 最適使用推進ガイドライン チルゼパチド(肥満症)令和8年5月改訂
- ゼップバウンド皮下注アテオス 電子添付文書(2026年9月改訂 第6版。効能・効果と保険給付上の注意)
- ウゴービ皮下注MD 電子添付文書(2026年6月改訂 第5版)
- 中医協 令和8年度費用対効果評価制度改革の骨子(案)参考資料(ウゴービの価格調整、2025年12月26日)
- 中医協 費用対効果評価対象品目(ゼップバウンドの価格、2026年5月13日時点)
- 中医協 ウゴービの費用対効果評価結果に基づく価格調整について(ウゴービ皮下注MDの改定薬価、2025年11月1日適用)(確認日:2026年10月27日)
- 中医協 市場拡大再算定及び持続可能性特例価格調整の対象品目について(2026年5月13日。対象はマンジャロ皮下注で、ゼップバウンドは含まれない)(確認日:2026年10月27日)
- KEGG MEDICUS 医薬品情報 ウゴービ皮下注MD・ゼップバウンド皮下注アテオスの薬価(確認日:2026年10月27日)
- DMMオンラインクリニック 医療ダイエットの料金(1セットの本数・回数)(確認日:2026年10月27日)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表
- 厚生労働省 紹介状なしで大病院を受診する場合の特別の料金の見直し(2022年10月1日から)
- 県立二葉の里病院 肥満症外来のお知らせ(2026年2月改訂)
- DMMオンラインクリニック・SDHクリニックの公式ページ(クリニック別の料金一覧の各カードにリンク)