安全
GLP-1を使っているときの飲み合わせと検査・手術前の注意|ピル・糖尿病薬・胃カメラ
※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日
この記事は一般的な情報で、診断や治療の判断の代わりにはなりません。自己判断で薬を休んだり、やめたりしないでください。使っていることを主治医・検査先に伝え、指示に従ってください。
結論
- マンジャロ・ゼップバウンドの添付文書は、経口避妊薬(ピル)を「併用注意」とし、特に使い始めや増量した後の初めのころは、ピルの効果を弱めるおそれがあるとしています。
- どのGLP-1の薬も、胃から食べ物が出ていくのを遅くするはたらきがあり、全身麻酔や深い鎮静のときに、絶食を守っていても誤嚥(胃の中身が肺に入ること)が起きた例が報告されています。
- 健診・胃カメラ・手術・歯科の処置の前には、薬の名前・用量・最後に使った日を伝えてください。休むかどうかは主治医と検査先が決めます。

薬ごとの「併用注意」(添付文書より)
| 薬(五十音順) | 併用注意とされている薬 | 添付文書の内容 |
|---|---|---|
| ウゴービ・オゼンピック(セマグルチド注射) | 糖尿病の薬(インスリン、SU薬、SGLT2阻害薬など) | 低血糖に注意。特にインスリンやSU薬と使う場合は、血糖を測り、それらの薬を減らすことを考える |
| ゼップバウンド・マンジャロ(チルゼパチド注射) | 糖尿病の薬 | 低血糖に注意。特にSU薬・速効型インスリン分泌促進薬・インスリンは減量を考える |
| 同上 | 経口避妊薬(ピル) | 特に使い始め・増量した後の初めのころに、ピルの効果を弱めるおそれ(胃から出ていくのが遅くなるため) |
| 同上 | ワルファリンなど、効く量の幅がせまい飲み薬 | ワルファリンの吸収が遅れたという報告があり、状態を慎重に観察する |
| リベルサス(セマグルチド錠) | 糖尿病の薬 | 低血糖に注意。インスリンやSU薬は必要に応じて減量を考える |
| 同上 | レボチロキシン(甲状腺ホルモンの薬) | 一緒に使ったとき、チロキシンの量(AUC)が33%増えたという報告。甲状腺の検査値を見ることを考える |
SU薬は、すい臓からインスリンを出させる糖尿病の飲み薬です。リベルサスは、1日の最初の飲食の前に、空腹で約120mL以下の水で飲み、その後少なくとも30分は飲食や他の薬を飲まないことが用法とされています。ほかの薬を飲む時間は、医師・薬剤師に確認してください。リベルサスの添付文書には、経口避妊薬の量に問題となる影響はなかったという海外のデータが書かれています。
リベルサス・オゼンピック・マンジャロの承認された効能・効果は2型糖尿病、ウゴービ・ゼップバウンドは条件つきの肥満症などで、ダイエット目的の使用は適応外です。主な副作用は吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの胃腸の症状で、低血糖、急性膵炎、イレウス(腸閉塞)などの重い副作用も添付文書に書かれています(主な副作用)。
健診・胃カメラ・手術の前
- 添付文書:マンジャロ・ゼップバウンド・リベルサス(9.1.6)、オゼンピック・ウゴービ(9.1.5)に、術前の絶食を守っても、全身麻酔や深い鎮静の下で誤嚥が起きた例があり、胃の中に食べ物が残るおそれが高まるとの記載があります。
- 国のガイドライン:ウゴービの最適使用推進ガイドライン(2026年6月改訂)では、慎重に投与する人に「全身麻酔又は深い鎮静下」が加わりました。
- 健診施設の案内の例:フィオーレ健診クリニックは、施設から休薬の指示はせず、主治医に胃の検査の予定を伝えて相談するよう求めています。注射後の数日は胃に残りやすいとして注射後3〜4日目以降の受診を勧め、前日の食事の制限、事前の申告をお願いしています。胃に食べ物が多く残っていると、検査を途中でやめることがあり、その場合は返金や別の日への振り替えができないとしています。
- 海外の学会:米国麻酔科学会は2023年に、週1回の薬は手術の1週間前に休むことを勧めましたが、2024年10月に複数の学会と出した指針では、多くの人は続けてよいとしました。そのうえで、用量を増やしている時期の人や吐き気などの胃腸の症状がある人は予定の手術を延ばすことを考え、用量が多い人などは手術前24時間を流動食にするとしています。休薬が自動的に最も安全とは限らないとも書かれています。日本の制度や施設の方針とは違う場合があり、参考情報です。国内学会の一般向けの指針は見つけられませんでした。
糖尿病の治療で使っている人が自己判断で休むと、血糖が悪くなるおそれがあります。休むかどうか、いつから休むかは、処方した医師と検査・手術をする施設が決めます。
伝え方のチェックリスト
- 薬の名前(マンジャロ、リベルサスなど)と、注射か飲み薬か
- 今の用量と、最後に増量した日
- 最後に注射した日(飲み薬は最後に飲んだ日)
- 使っている目的(糖尿病の治療か、自由診療でのダイエット目的か)と、処方しているクリニック
- 吐き気・便秘・腹痛など、今ある症状
- 一緒に使っている薬(ピル、糖尿病の薬、甲状腺の薬、ワルファリンなど)
自由診療で使っている人は、健診の問診票やかかりつけ医に伝え忘れやすいので、薬の名前と最後に使った日をメモしておくと伝えやすくなります。副作用のときの連絡先は、処方したクリニックに確認しておいてください(クリニック別の料金一覧に問い合わせ先を載せています)。
よくある質問
Q. マンジャロを使い始めたら、ピルはやめるべき?
A. 自己判断でやめないでください。添付文書は「効果を弱めるおそれ」としているので、ピルを処方した医師とマンジャロを処方した医師の両方に伝え、避妊の方法を相談してください。マンジャロは使用中と最後の注射から1か月の避妊が必要とされています。
Q. 胃カメラの前は何日休めばいい?
A. 決まった日数は施設や状態で違います。予約のときにGLP-1を使っていると伝え、主治医と検査先の指示に従ってください。
Q. 歯医者の麻酔も伝えたほうがいい?
A. 添付文書で注意とされているのは全身麻酔・深い鎮静です。それ以外でも、使っている薬はすべて伝えるのが安全です。
参考にした情報(確認日:2026年10月27日)
- マンジャロ 電子添付文書(2026年9月改訂 第11版)、ゼップバウンド 電子添付文書(2026年9月改訂 第6版)
- リベルサス 電子添付文書(2026年5月改訂 第6版)、オゼンピック 電子添付文書(2026年5月改訂 第6版)、ウゴービ 電子添付文書(2026年6月改訂 第5版)
- 日本イーライリリー 医療関係者向け「マンジャロの相互作用は?」(2026年5月更新)
- 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(肥満症)令和8年6月改訂
- フィオーレ健診クリニック マンジャロ等のGLP-1/GIP受容体作動薬をご使用中の受診者様へ(2026年10月27日に掲載を確認。文書内に日付の記載なし)
- 米国麻酔科学会(ASA)2023年6月28日の発表、同 2024年10月29日 複数学会の指針(英語。2026年10月27日に内容を再確認)